アジア圏に住む人間として、キリスト教の聖人の誕生日より、旧正月の方が性に合っている。
しかも、お祭り好きの私がこのチャンスを逃すわけにはいかなかった
中華街は、自宅から1時間で行ける場所に位置していて、なかなか要もなければ行かないのだが、
年に5回程度は行く観光地。
いつも行くと発見がある。

古い路地にあるマンションの入り口には、ひっそりと狛犬が門番をしている。
なんか、異空間だ。

街全体に、正月の旗がつるされ、人のいない場所なんてない。
フェスタだ。

変なおっさんが変な帽子をかぶって、人を集める。
NIKON,CANONを構え、携帯を構えた人が取り囲む。
かなり異様な光景。
でも、その一人が私。

この日ばかりは、関帝廟もただの観覧席。
みんな、一点を見つめている。
それが、春節の獅子舞だ。
4頭の獅子が、街の店をまわり、踊る。一年が祝福であふれるように思いっきり幸福を呼び込む。

中には特等席で見る人もいる。
そして、獅子について回り写真に収める多くのアマチュアカメラマン。
エネルギッシュで、とても、混沌としている。
アジアってそんなところが素敵だ。私は、そこにいるだけで幸せと戸惑いを覚える。
人ごみが大嫌いなのと、文化に触れているというこの妙なバランスだ。

一通り踊り終わると、高い所から吊るされたご祝儀袋を、獅子がくわれる。
そして、獅子は次の店に向かうのだ。
獅子が次に向かう店は、大きな旗が、先にたたる仕組み。

この旗の前に待っていると、獅子がやってくるので、写真を撮る人は、旗を追う。
とにかく、この要領をつかむまで写真は偶然じゃないと撮れない。

獅子を躍らせるためには、独特なお囃子がある。激しいbeatで叩きそれに合わせて、シンバルや、銅鑼が鳴り響く。
獅子が体を揺らし、人々に幸せを届けるのだ。

爆竹は、ものすごい音。
ごみを出さないように、金属のかごの中に火をつけて放り込む。
この音は、邪気を払うとされている。
ローズホテルのロビーの飾り付けも素敵だ。

あでやかな獅子が人を出迎える。
独特の高揚感が満ち溢れた。旧正月。
なんか一年のスタートを切れたような気がする。

中華街は、多くの人をちょっと特別な気分にさせてくれる魅力ある街だ。
極彩色のネオンが毎日点る。
獅子は、現れないけど、旧正月のイベントは、2月28日まで続く。
これを読んでくれた人たちに、多くの幸がありますように。